eワラントの長所と欠点(1)長所短所を知って、効率的な投資をしよう
端的にいってしまえば、ワラントのような金融派生商品は、商品を作ったおおもと(eワラントの場合はゴールドマンサックス)が儲かるようにできています。それは、あらゆる競馬やパチンコ、宝くじなどギャンブル的要素をもったもの、または預貯金などにもいえることで、「胴元」が儲かるのは変わりありません。
ですから、eワラントにおいても初期の「種銭」作りの投資には向いていますが、逆に大きな金額を投資するのにはリスクが大きすぎます。大きな金額を動かせるのであれば、そちらは株式投資などに向け、eワラントを株式投資のリスクヘッジに利用する(これは後述します)ということもできますが。ちなみに、eワラントは商品ですので、「売り切れ」る場合もあります。
さて、これからはじめようとするにとっては、どのような商品かを知る前に欠点と長所を知っておく必要がありますね。まずは、欠点のほうから解説してみましょう。
eワラントの欠点とは?
よくいわれる欠点を下記にあげてみます。
- 投資した金額を全部失うこともある
- 時間的価値というものがあり、時が経つと価値が下がる。また、満期日以降は取引できない
- 価格の付き方がむずかしく、理解しがたい
- システム障害などで、取引できない場合がある
- 取扱証券会社があまりない
ガイド本などによく出ている欠点です。まず、この5つについて。
1は、前ページでも解説したように満期日に設定金額より高い株価などがついていなければ(コールの場合)、ワラントの価値はゼロとなります。ただ、これは長所ともいえるところで、投資金額以上のお金を失うことはありません。2も解説しましたが、同じ株価が続いているのであればそのワラントは毎日下落していきます。これは設定金額を上回っていようがいまいが、同じことです。
さて、3。eワラントは、オプションを証券化したものであるから、数式はきちんとあることはある。ただし、異様に複雑です。いわゆるブラック・ジョーンズ式といわれる数式を元にしたものであるが、高校レベルの数学でも理解しがたいもの。これは、あきらめるしかないでしょう。ただし、価格がこの先どうなるかというシミュレーションサイトがあるので利用したい。これはおもに、何日後の株価がいくらになるかを入力することで、ワラントの値動きが分かるものです。
4については、神頼みというかゴールドマンサックス頼みというしかない。東証がシステムダウンすることもあるが、この場合、東証に大きな落ち度があれば損害賠償などを請求できることもあるでしょう。ところが、eワラントにおいては、ゴールドマンサックス側に保証を求めることは一切できないのです。これは、売買の時に必ず確認する作業でもあります。
5については2005年12月現在、SBI証券など5つの証券会社でしか取り扱っていない。いずれも、ネットによる取引のみで、電話や店舗などでの売買はできないようです。取扱証券会社について詳しくは、【取扱証券会社比較】をご覧ください。
以上がよくいわれる短所ですが、実際に取引してみての短所をあげてみましょう。
実際に取引してみての短所とは…?
実際に取引してみて
- 売買してみたい銘柄がない
- 銘柄があっても、コールまたはプットのいずれかしかない
- 午前の寄りつきで、売買しにくい
- いわゆるマーケットメイク方式なので、買った瞬間に損失が出る
1番目は、ま、しょうがないとあきらめるしかないでしょう。街の様子や社会情勢などでこの銘柄は上がる、下がると思ってもeワラントの取り扱いがなければ、実際の株式投資やミニ株に頼らざる得ません。とりあえず、株式をはじめインデックスなど主要な銘柄はおさえられているので、同一業種などで絞ってみるのもいいかもしれません。
2番目がもっとも気になることで、銘柄はあるもののコール(上昇期待)やプット(下降期待)のいずれかしかないことは、よくあります。
例えば、2005年末、ライブドアの株価があまりにも上がってきたので下がると予想し、ライブドアのeワラントの購入を検討したとします。ところが、このときライブドアのeワラントにはコールしかありませんでした。翌年1月のライブドア事件でライブドア株は暴落したので、プットを買っていれば大儲けできたでしょう。
いずれかしか発行していないことからゴールドマンサックスは、客に儲けさせないように謀んでいるのでは…とうがった考え方もできますが、実際のところコールまたはプットしかない銘柄は、そのトレンドに合わせた手法が選択されている場合がほとんどです(例えば、上がり基調の場合は、コールが発売される)。
ただし、あまりにも急激な変動があった場合、ゴールドマンサックスは原資の株式などの調達ができにくくなったとの理由で、当該ワラントの発売を中止することがあります。その場合でも、値上がりしたワラントの売却だけはできるようになっていますので、それほど心配はいりません。
4については、eワラントは原資の動きを見て値段が決定されるので、しかたがないといえばしかたないでしょう。 さて問題は、5番目。eワラントは売値と買値が決められていて、その差があります。つまり、売値は買値よりも高いので、買った瞬間に損失が出ることになります。もちろん、その後ワラントの値段が上昇すれば、損失は回避できますが、この買値と売値の差は見過ごせないときがあります。少しの対象となる株式の上下では吸収しかねることも多々。
左の図は、2006年3月20日の長谷工を対象としたワラントの値段です。ワラントを買う場合は2.24なのに対し、売る場合は1.99となっています(「現在値」の行)。つまり、10000ワラント(ワラントの売買は1000単位)を購入した場合、売買手数料を考えなければ、支払うのは2万2400円。しかし、買った瞬間にその価値は、1万9900円となり、2500円の損益となるのです。この差のことを『スプレッド』といい、すべてのワラントはこのスプレッドを持っています。スプレッドは銘柄や条件などにより変化します。
なお、スプレッドはキャンペーンなどで、軽減される場合もあります。しかしながら、ワラントを取引するときに頭に入れておいていい事柄でしょう。
次のページでは、eワラントのいいところを解説します。
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